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誰でも大好き

20140131 夕刊フジ「ぴいぷる」 錦戸インタビュー

アイドルグループ「関ジャニ∞」のメンバーであり、ソロ活動では俳優として、ドラマや映画で主演を果たしている。
「演技では、新鮮さを大切に、その場を"感じる"ようにしています。演技は相手とのキャッチボールなので、相手を見て、僕も返したいです。アンテナをビンビンに張っています」
2月1日公開の映画「抱きしめたい−真実の物語−」では、共演の女優、北川景子とどう投げ、どう受け取るか。交通事故により、左半身と記憶能力に障害を持ち、車椅子生活をおくっているつかさ(北川)と、彼女に恋するタクシードライバーの雅己(錦戸)の、実話に基づくラブストーリーだ。
「雅己さんにとっては、つかささんに障害がある、なしというのは、問題の1つにもなってないと思うんです。極端なことを言ってしまうと、(愛する人を)抱っこできる喜びもあると思うんです。でも、本人たちにとっては当たり前だと思っていることが、周りからみれば、「すごい、抱っこしてあげている」って感じることもあるでしょうし」
障害に負けずに夢を貫こうとする2人の姿は、コンプレックスを障害だと思って、やりたいことをあきらめている人にも、訴えかけるものがある。
「コンプレックスを受け止めることができたら、それがモチベーションに変わることもありますし、考え方ひとつで今いる世界はもっと変わりますよね」
この作品を見て、感じてほしいことがある。
「誰かのことを『抱きしめたい!』と思ってほしいです」

ジャニーズ事務所に入ったのは、小学6年生の時。友人らと履歴書を送ったことがきっかけだった。
「『ジャニーズに入ろうぜ!』と、ノリで出しました。アイドルになりたいわけではなかったです」
オーディションの後、合否の通知はなかった。
「いまだに受かったとは言われていないんですよ。オーディションがあった2週間後に電話があってレッスンに呼ばれて…というのがずっと続いてるのが、今なんです」
すっかり人気者だが、当時は芸能界だけでやっていける自信はなかったという。
「事務所の何百人もいる中で残っていくのも大変ですし、残れたとしても、そこから芸能界でも残っていかなくてはいけない。厳しい世界だと想像していました。今、こんな風にやらせていただいていることを、当時の自分は思ってもみなかったです」
アイドルでいる…というのは、どんな感じなのか?
「アイドルとくくられることは分かるのですが、アイドルっぽくしようと思うことはないです。別に格好悪いところを見せてもいいと思ってますし。自分が苦しくないように、無理はしすぎないですね。努力するのと我慢するのは違うので、我慢はしないようにはしています。努力はしますよ。常に一生懸命取り組めるものが欲しいです」

そんなハングリー精神のある彼だからこそ、一時期は2つの人気アイドルグループの掛け持ちができたのかもしれない。関西を拠点とした関ジャニ∞とは別に、NEWSにも所属。多忙な日々だったようだ。
「当時は僕がどちらかのグループで活動しているときは、もう1つのグループの活動が止まっていたので、その止めている方のファンの人たちに申し訳ないという気持ちはありました」
とうとうスケジュールの調整が難しくなり、2011年にNEWSを脱退。2年経った今、どんな気持か?
「今の自分を作っているのは、この両方のグループの経験ができたおかげ。2つのグループに所属したことは間違いだったとは思いたくない。NEWSを脱退して、悲しませてしまったファンやメンバーもいると思いますが、その人たちを納得させられるようなものを、これからの僕が作っていくしかないですね」
感謝の気持ちで、前を向くしかない。

編:加藤弓子氏